1幕目をズラズラ書いていたら長くなりすぎてしまった…ので、1幕と2幕でわけました。
観劇記ってどういうのが正しいのだろう…。むやみに長くなる…。
まあ、それはともあれ二幕です。
▼1幕はこちら

青年期〜壮年期
大臣入鹿を討った鎌足さん。
我が国最初の元号を発表する!というみきちぐさん。
つい最近見たような光景だな〜と思う私。
発表する!と出したものにはででーんと「令和」w
あっ間違えた!こっちだった!と、「大化」をw
元号も変わったので、新帝を別に立てるとのこと。
新人事はすすむけれど、中大兄は特に昇進もなく、帝になるわけでもなく。
大臣にしてくれるといったのに…とぶちぶち恨み節のみきちぐさん。
さて、新婚の鎌足と与志古。
そういえば鎌足が入鹿打倒を決意した理由には与志古の参内もあったのでした。
あーちゃんが果敢にも「今日は中国からきてくれた料理人さんにお料理をつくってもらったの〜それはホンさんていうの〜」とぶっこむアドリブw
途中までアドリブと気づかなかった…w
そして「なんだと!それはホンとか!!」と大喜びでのっかるべにこw
ごちそうさまでございましたw
そんないちゃいちゃのなか、鎌足と、なぜか与志古が中大兄に呼ばれる。
急ぎ参内するふたり。
中大兄はひややかに鎌足、与志古を眺め、いう。
「おまえの妻を娶ることにした」
鎌足は無言になる。
「何もいわないということは不満であるということか?」と重ねる中大兄。
そうだこういう冷徹なイメージだった、中大兄…と客席で震える私。
1幕の気品高くうるわしいイメージではなかった…。
そこで与志古が動く。
「鎌足は喜んでいます!私も…」とちらりと鎌足を見、中大兄のもとに行ってしまう与志古。
なにこれめっちゃつらい。
中大兄は「妻を失ったとあらば不便であろうから、采女をひとりやる」と下げ渡される采女の安見児ちゃん。
せおっちの家畜なことよ!おまえは鬼なのか!
それでもうずくまったままの鎌足。
「不満なのか?不満ではないというなら、安見児を賜った喜びを歌に詠め」とひらすら容赦のない皇極先帝。
彼女は入鹿を討ち、息子(中大兄)に入鹿を討たせた鎌足を憎んでいるのだった。
われはもや安見児得たり
皆人の得難にすといふ
安見児得たり
鎌足は絶唱し、そのままうずくまる。
星蘭ちゃんの安見児は「なぜお嘆きになるのです」と不思議そう。
嘆くに決まってるだろばか!!私は主君に逆らえない!!と泣きじゃくる鎌足。
「私にはわかりません、采女として生涯帝にお仕えすると定められた私には」という安見児。
「あなたは悲しい人だ」という鎌足。
星蘭ちゃんの安見児は、あの美貌と浮世離れした感じも相まって、感情を失ってしまった哀れな采女感をよく醸し出していたなあ…。
しかし、哀れはずなんだけどあまり哀れな感じがしない…。
さて、与志古を得たことで鎌足を自分のもとに縛っておける状況になった中大兄。
次は不穏分子であるみきちぐさんが邪魔だということになる。
ぶちぶち文句ばっかり言ってたからね!
あれを討ち、ついでに現帝もこっそりやっちまおうという企みを聞かされる。
なんということを!と驚愕する鎌足。
その後、母上にまた玉座についてもらう。なぜって俺がそのまま即位したら誰の命かバレバレだろう?と非常に悪い中大兄。
せおっち恐ろしい男…
しかし鎌足は従う。
みきちぐさんを討ち、その脚で宮城へ向かう。
「志を取り戻しに行く」と。
天智帝として即位した中大兄はごきげん。
なんでも好きなものをやろう、そうだおまえ名前を欲しがっていただろう、それをやろうと上機嫌。
対する鎌足は、石を飲んだようにじっとしている。
「名などいりません、与志古を返していただきたい」
そして抜刀する鎌足。
鎌足さん…あなた弓矢のほうがいいんではないかしら…
ヤットウはちょっと…
そして、正直、帝の前で抜刀した時点で逆賊として斬られてもおかしくないんでは?と思う私。
しかし鎌足という臣下を愛する天智帝はその蛮行をも許すのである。
帝の前に引き出され、うずくまる鎌足。
たまらず飛び出す与志古。
「このひとは弱い人なのです!あなたが脅威に思うようなひとではないのです!」と天智帝に向かい、
うずくまったままの鎌足の背中をなでさすり、「これ、鎌足!くよくよなさいますな!」と叱咤する。
劇中を通して、何度か与志古が鎌足を呼び捨てにする場面があるのだけれど、こういうのもいいなと思う。
「これ鎌足!くよくよなさいますな!」は鎌足が辛い場面(与志古を中大兄に奪われるところでもあった気がする)で何度か出てきていて、そのリフレインが素晴らしい効果を生んでいる…と生田贔屓の私は思うわけであります。
かような夫婦愛を見せられた天智帝。
「与志古は返さぬ、返すもなにも、もうそなたのもとにいるではないか」とは、粋な計らいのような、強がりのような。
そしてめでたく夫婦に戻った鎌足と与志古。
けれども与志古の表情は硬い。「言わねばならないことがあります」という与志古にもしや…と思う私。
与志古は天智帝の御子を身ごもっているとのこと。
せおっち、おまえ…!
まあそりゃそうだけどせおっち…!となる私。
このことを知ったら御子を取り戻そうとするに違うないと震える与志古。
そこにあらわれる采女の安見児ちゃん。
それなら私が産んだ子として育てましょう、その間与志古はどこかに隠れていればよいでしょうと。
安見児ちゃん、べにことくっついたときは「人の心がわかりません」などと言っていたのに、男女の機微的なものまでわかるようになったのか…
老年期
病気になった鎌足を天智帝が見舞いに来る。
しかし鎌足は息子と外出していると老女となったあーちゃん。
あーちゃんの老け芝居ってはじめてみたわ…。べにこもだけど…
路線娘役が老女なんてそうそうやらないもんなあ。
路線男役もか…。
与志古に弱音のような愚痴のようなものをこぼす天智帝。
護衛に「帝は与志古さまには気安いのですね」とはからかいなのか与志古に対する尊敬の念なのか…。
短かったであろう与志古との日々は、天智帝にとってもやすらぎだったのだろうか。
…といっても妃は与志古一人じゃなくもっとたくさんいたと思うんだけど…。
ともあれ、そこに息子不比等が帰ってくる。
「父上は足が遅くって!先に帰ってきてしまいました!」と元気いっぱい。
なにかに気づいた天智帝が不比等をじっと見つめる。
緊張が走る与志古。
たしかこのへんで鎌足も帰宅していたはず。
「歳は?」
「10歳になりました」
きっと我が子であると確信したに違いない天智帝。
しかし、「鎌足に育てられるのならば間違いない」とあくまでも気づかない素振り。
そういえばお前に名をやろうと言っていたな、それをいまやろうと天智帝。
その名は「藤原」だ。藤原という名を賜った鎌足。
どうして「藤原」にしたのか、そこを深く掘ってほしかったなあ…
もしかして私が聞いてなかっただけ?
そして天智帝は去り、親子三人で飛鳥野にいく。
思い出のブサイクな岩を眺め、いろいろあったなあ…と感慨にふける鎌足と与志古。
「辛いこともたくさんありましたが、与志古は楽しかった」と朗らかな与志古。
想像を絶する辛さだったと思うわ!
夫と引き離されて帝の妃にされるってどういうことよ…。
しかし「楽しかった」とまとめてしまえるのが与志古の強さだなあ…。
エピローグ
ふたたび宇宙的な空間に戻る。
ヒロさんが鎌足と入鹿の真実の物語を語っていたのですね。
「大変よいお話を聞かせていただいた…だが」といってみっくんはヒロさんがもっていた巻物?を破いてしまう。
その話は不要、強者の側からみた歴史のみを私は綴っていく…と笑う。
みっくん気持ち悪いわ…
最近の彼の芝居の振り幅がすごいわw
おわりに
べにあーのプレサヨナラ公演でした。
いろんなべにあーを思い出す私。いろいろあったなあ…
けれども私の中で「鎌足」はべにあー作品の中でも1,2位を争う名作でございました。
生田先生は推せる!
欲を言えばもう一回みたい作品だったのですが、一回しか見られなかったことが残念でならない…。
それにしても星組っこもいい芝居をするな〜と再確認しました!