観劇記

東宝エリザベート雑感〜フランツとゾフィー〜

こんばんは、トオメです。
今日はくもりだというのに暑さがぶり返してきて…激しい残暑でしたね…。

本日も東宝エリザの続きのお話。

宝塚版と東宝版ではゾフィーの扱いがまるで違う

宝塚版と東宝版で、もっとも違いを感じたのがゾフィーですね。

宝塚版は、とにもかくにもシシィを「傷のないヒロイン」に仕立て上げようとしているかのように感じます。

なのでシシィの天敵であるゾフィーが黒幕のように扱われてしまっているかと。

まあタカラヅカさんは「誰が見てもわかりやすい」を信条にしているようなので、しかたないんでしょうが…。

宝塚版ではゾフィーはルキーニの歌の中であっさり死んでしまうのですが、東宝版ではフランツとのいさかいから、それが元で亡くなったような描写で、正直いちばん泣いたポイントでありました。

またフランツがひどいのですよ!
老い先短い老母(しかも胸を病んでいる)に壮年の息子が激しく糾弾する様子は見ていて胸が痛む…。

「あなたの王国は滅んでしまう」とゾファーに訴えられても全く聞く耳を持たないフランツ…。

そしてフランツが立ち去ったあと、「愛を捨て、皇帝らしくあなたを育てた」という歌は泣かずにはおれないですよね!

あの場面は女帝ゾフィーの衰えとフランツの強靭さ、そしてのちに登場するルドルフをひ弱さを印象付けるところなんだろうなあ…。

そしてゾフィーはひっそりと亡くなるのですが、宝塚版のようにコミカルに退場ではなく、ある種の恭しさをもった描写だったのが救いといえば救いか…。

黒天使ダンサーズに引き取られていったような気もするけれど、椅子にもたれかかっていたような気もする…
(記憶がわやわや…)

ゾフィーの魂は生き続ける

ゾフィーが退場しても、その魂はしっかりと息子フランツに受け継がれていました。

皇太子でありながら、反体制派の新聞に寄稿したルドルフを糾弾するときの音楽がゾフィーのテーマ!

…しかしこれはフランツでなくても激怒しますわな。
お前皇太子だろ!スットコドッコイにもほどがある…

ルドルフにも言い分があり、危機感と焦燥をもっての行動のようではあるのですが、まあこの辺は宝塚版では説明不足ですねw
エリザは楽曲の良さでわりとなんでもごまかされてしまう…w

東宝版はナチスが出てきたりして、ルドルフの焦燥具合はなんとなくわかりました。

もしルドルフがシシィではなく、ゾフィーに育てられていたら、また違った未来があったのかもしれないなあ…。

シシィは子供たちを取り戻したあと放置だったようだし…
この部分も宝塚版では描かれないところ。

なのでルキーニは「あいつはエゴイストだ、ポーズだけだ」的なとこを何度も言うんですなあ…。

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